もう定着した感のある「美肌といえばコラーゲン」。コラーゲンの効果を利用するために、健康食品などを使用している人も多いようです。でもそれは、本当にコラーゲンの効果を生かす方法なのでしょうか。身体に不可欠なアミノ酸との関係を交えて、解説します。
お肌ツルツルとか、張りのあるお肌のために、などの言葉とセットのようになっているコラーゲン。
その正体はなんなのか。
人間の身体はおもにタンパク質によって作られています。
タンパク質は英語でプロテイン。
アスリートたちが使用しているアレですね。
その種類は3万種にもおよぶといわれており、彼らが飲んでいるのは、身体を鍛えるために有効な成分を集めて作られたものです。
そしてコラーゲンもタンパク質のひとつなのです。
タンパク質(プロテイン)の語源が、ギリシャ語で「第一のもの」という意味のproteioslであることからも、その重要性がわかるというもの。
コラーゲンはタンパク質、そしてタンパク質は長くつながったアミノ酸。
ちなみにつながりの短いものはペプチドと呼ばれます。
コラーゲンは骨、表皮、腱、軟骨などをつくっている、人の身体を構成するタンパク質の中でも、いちばん豊富なものです。
このコラーゲンは、だいたい1000個くらいのアミノ酸がとっても長くつらなって、ぐるぐる3重にねじれた形をしています。
その長いぐるぐるが、肌や腱につよい張りを与えているのです。
これが「お肌に張りを」といわれる理由です。
タンパク質は、アミノ酸に分解されないと吸収されません。
つまり、食事によって摂取されたタンパク質は、一度アミノ酸としてばらばらになってしまうのです。
ただコラーゲンの場合、そこまで分解されていない、ペプチドの状態でも取り込まれます(先ほど出てきた、アミノ酸のつながりが短いものですね)。
これを「コラーゲンペプチド」といい、コラーゲンだった頃より、吸収しやすくなっています。
しかし残念ながら、吸収したコラーゲンペプチドを、ピンポイントで狙ったお肌に活用するというような機能は、人間の身体にはありません。
以上のことから、コラーゲンたっぷりの食事をとったとしても、それに期待した作用が見込まれるのかという点には、疑問詞がついています。
とはいえ、体内でコラーゲンを作るのに、タンパク質は不可欠。
特定の要素にこだわるより、栄養バランスを重視した食事が、お肌のため、ひいては健康のために重要なのです。
また、コラーゲンペプチドは、化粧品に保湿作用を加えるために使われています。
中から外から。
月並みだからこその、美容と健康のヒケツですよ。